2022年6月、「機能性を備えた三つ折り財布」をリターン品として、クラウドファンディングのプロジェクトを実施しました。そのプロジェクトにご支援頂いた中野様(仮名)のエピソードが、とても心温まるエピソードだったので、匿名を条件に記事にさせていただきました。
姉へ日頃の感謝を伝えたい
とある日、中野様からFirst Reachウェブサイトのチャット機能を通じてご連絡を頂きました。
『いつも自分を犠牲にしながら、家族の為に頑張っている姉へのプレゼントを探していた所、偶然First Reachクロコダイル革三つ折り財布を見つけました。予算よりもかなり値がはるし、少し冷静に考えようと躊躇していたら、売り切れてしまいました。もう再販はされないでしょうか?コンパクトで、とてもお洒落だったので、残念です。』
中野様は、弊社ウェブサイトから三つ折り財布のページを見て下さったようでした。クラファンプロジェクト実施期間中、多くの方々に認知してもらえるようウェブサイトでも三つ折り財布の商品ページを掲載しておりました。
プロジェクト期間中は、ウェブサイトで購入できないようになっていたので、売れ切れてしまったと思ったようです。
そこで私は、Kibidango社のプロジェクトで支援できるようになっており、ご支援後すぐに、発送可能であることをお伝えしました。予算に関しても懸念されておりましたので、プロジェクト内のご支援では、通常販売価格より2,500円お得に手に入れられることをお伝えしました。
First Reachが出来ることを尽くしたい
その翌日、中野様からご支援があり、こんなメッセージが添えられていました。
『おそらく姉も気に入って使ってくれると思います。自分自身の為に買うことはなかなかできませんから、そう度々お世話になることは無いかとも思いますが、これからも素敵でオシャレな財布を作ってください。』
率直に「お姉さまだけでなく、中野様自身にも喜んでいただきたい!」そう考えました。そこで私は、中野様宛に個別にご連絡を差し上げ、下記のご提案をさせていただきました。
(原文始め)
①メッセージカードの付与。
(ご希望の場合、メッセージの内容をご教示ください)
②お送りしますお財布の腑柄を選んでもらうサービス。
(クロコダイルの模様は個体差があり、ひとつとして同じものはなく、ぜひお気に入りの腑柄を選択されてください。)
今回ご支援いただいた理由に、とても感銘を受けました。一方で、私は中野様にもクロコダイル革の魅力を体験してもらいたいと思っております。
もし今後、ご自身のお財布を購入される場合は、通常ではできない価格でご提供させていただきます。その際には、事前にご希望される商品名をご教示いただき、大特価でご提供させていただきます。
(原文終わり)
すると中野様から、下記のメールが届きました。
『土曜日にも関わらず、早い対応をありがとうございます。
柄に関しては全くわかりませんから、お任せしたいと思います、
姉は、今年古稀を迎えましたが、バタバタとしてお祝いらしいこともできないまま、とても気になっていました。私の主人が長年寝たきりでしたので、姉は当時同居していた、私の幼かった子供2人と、我々の母の世話も手伝ってくれました。
現在、母も主人も他界致しましたが、お陰様で息子たちは、それぞれ結婚して、長男夫婦とは同居しているので、今度は孫の面倒も見てくれています。そこで、長い間お世話になった感謝の気持ちを伝えたいと思います。
たまたま目に止まった三つ折り財布が、あまりに素敵だったので、思い切ってお願いして良かったです。姉も気に入って使ってくれれば嬉しいです。多分、姉の第一声は「これ高かったじゃろう。私には もったいないわ」だと思います。笑
お客様に喜んで頂けて、夢のある素晴らしい仕事に誇りを持って、これからも頑張ってください。今の私には、かなり贅沢な品ですが、いつか使っている自分を目標に、元気に仕事を頑張りたいと思います。
ありがとうございました。宜しくお願い致します。』
中野様にも喜んでもらいたい
中野様と連絡を取り交わしていく中で、中野様自身もずっとお財布を変えていないことを知りました。
これまでは、お姉さまが何年かおきに買ってきてくれる財布をいつも使っていたようですが、ボタンが緩んできて、使いにくくなったので、1年くらい前から通販生活についていたオマケの財布を取っておいたのを思い出して、使っていたそうです。
それは10年くらい前に、通販生活の本を買うとついてくる付属品のお財布とのことでした。付属品ということもあり、そこまで頑丈でなかったのか、お財布のマチ部分が最近裂けてきたそうです。
中野様曰はく、『レジの人にそれを見られたく無いので、中のオレンジの布が目立たないようにマジックで黒く塗っていました。』とのことでした。
お話を聞いた後、私はなんとかして中野様にもクロコ革財布をお届けしたいと考えていました。
クロコのお財布をプレゼント
そこで考えたのは、商品の検品作業時に出てきた、お客様には販売できない長財布があったことを思い出しました。とはいっても、気にならない人は気にならない程度の品質不良ではあったのですが。
今回、直接お話したいということもあり、思い切ってお電話で連絡してみることにしました。正直電話に出て頂けるか不安でしたが、電話がつながりお話しすることが出来ました。
そして、アウトレット品になる長財布をご提供したい旨を伝えると、
『本当に夢のような勿体ないお話を頂いて申し訳ないです。
私は、普通の値段よりも安く買えるお話を聞いて、それだけでも有難く思っていたのに、私が支払う金額では買えないお財布を使わせて頂けるなんて、本当に嬉しい限りです。
みなさんからすれば、普通に売るのには心許ないのかもしれませんが。お忙しい時に、取るに足りない私のメールに目を留めてくださり、誠にありがとうございます。
このご縁に感謝致します。これからも宜しくお願い致します。』
上記内容からも分かるように、中野様の素敵な人柄がひしひしと伝わり、「思い切って提案して良かった!」と心から思いました。
お財布がお手元に届く
そして腑柄、メッセージカードの内容などを決定した後、三つ折り財布とプレゼント用の長財布を発送いたしました。
そして先日、中野様から「商品が届いたこと」と「お姉さまの反応」についてご連絡いただきました。
『お財布が届きました。届いた日、姉に渡せなかったので、今朝見てもらいました。開口一番「お札が入らんなぁ!小銭入れ?」と言うので 使い方を伝授しました。
手に持ってみると、小ぶりで手に馴染みやすい大きさで、気に入ってくれたようです。早速、今朝出かける時には、持って行っていました!
まだ使い方に慣れないので、もたついているようですが、必ず気に入ってくれると思います。
一方の私(中野様)は、レジでお釣りを貰うと、ササッと小銭入れに入れて、ガッガッ!と雑に外側のファスナーを閉めていました。(前回の財布を人に見られたくなかったため)
今日、慌てて外側のファスナーを閉めた時、小銭入れのファスナーがわずかに引っ掛かってしまい、「あちゃー」と焦りました。
家に帰ってから冷静に考えれば、小銭入れのファスナーの持ち手の部分を、手前に戻して閉めるようにすると、折角の大切なお財布に傷を付けなくて済む事に気がつきました。
その時、今迄はオマケのお財布だからと、とても雑に扱っていたのだと反省もしました。これからは大切なお金を、大切なお財布で、大切に使います。
そんな当たり前な事に気付かせて頂きました。
永井様、これからも陰ながら応援させて頂きます。真にありがとうございました。』
感じたこと
これまでも強い責任感を持って、販売事業に取り組んできました。
しかし今回のお話を伺い、様々なストーリーを持つ方々が、我々のお客様にいて、商品への強い思いを持ってご支援または購入頂いていることを、心の底から実感しました。
そんなお客様に喜んでいただけるよう、これからもお客様の視点に立ちながら物事を考え、事業を実施していきたいと思います。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
First Reach 永井 俊