普段から水中で暮らす動物、クロコダイル(ワニ)。ですから、自然とクロコダイルの革も水に強いと思う方は多いのではないでしょうか?
実際に検証しようと思っても「革のダイヤモンド」と称される高級革なので、なかなか実証できるわけではありません。
結論から申し上げると、他の革と同様にクロコダイルレザーも雨や湿気に弱い性質を持ちます。
そこで本記事では、「クロコダイル革が水に弱い理由」「クロコ革を水で濡らした実験結果」「濡れてしまった時の対処法」をご紹介します。
Contents
クロコダイル革が水に弱い理由
それは「皮」から「革」へ仕上げていく過程において、クロコダイル革の表面がデリケートになっていくからです。
クロコダイル革マット仕上げでは、染色工程にて加脂を行い、革に柔軟さと適度な張りを与え、マット加工工程ではローリングマシンで革表面を磨き、控えめなツヤを出します。
そのおかげでマット仕上げは、初期の頃は落ち着いた光沢が出ていますが、長く使い続けるとさらに磨かれ光沢が強まり、エイジングを楽しめる革へと変貌します。
一方これらの製作過程を踏むことで、クロコレザーの表面が繊細になります。その結果、雨や湿気などの水分が付着したり、高温多湿な場所での使用や保管に弱い特質を持つようになるのです。
クロコ革を水で濡らした実験結果
実験対象になるのは、商品開発時に製作されたサンプル品です。製作後も設計変更を加えたりしたので、現在はお財布としての機能を持ち合わせておりません。
一方クロコダイル革(マット仕上げ)そのものは、まだ綺麗な状態のままです。今回は、このクロコ革を使用して、水に濡れた場合の変化具合を観察していきたいと思います。
実験方法は、クロコ革の表面上に水滴を垂らして0分、10分、20分、30分、40分、50分後の変化具合を見ていきます。(First Reachのクロコダイル革には、防水加工が施されている為、通常より長く観察経過していきます。)
0分後の経過状況
まだ表面に水滴が乗っているだけで、水を弾いているようにも見えます。
10分後の経過状況
10分が経過しましたが、まだ水を弾いているように見えます。
20分後の経過状況
20分が経ち、水滴が若干拡がってきたように見えます。
もう少し経過を観察していきたいと思います。
30分後の経過状況
クロコ革が、かなり水滴を吸収しています。
そして水滴が明らかに平べったくなっているのが分かります。
40分後の経過状況
さらに水滴は平べったくなっています。
50分後の経過状況
完全に水滴を吸収してしまいました。そして、やはり水シミが出来てしまいました。
この水シミは、見た目的にもなんとか取り除きたいものです。
水シミ・水ぶくれの対処法
基本事項
クロコダイル革だけでなく、全般的に革は水を嫌います。 革製品を濡らした時は、なるべく早く乾いた布(やティッシュペーパー)で、水分を拭き取ります。
そして革製品の型を整え、陰干しを行ってください。 マット仕上げのクロコ革の場合、このやり方で元の状態により近づけることが可能です。
水シミが出来てしまった場合
一方、すぐに水分が拭き取れず、水シミが出来てしまった場合の対処法をご紹介します。
手順は、以下の通りです。
1. 濡らした布で拭く
濡らして硬く絞った布で、全体を満遍なく拭きます。水シミ以外の部分も濡らすようなイメージで約2-5分拭いてあげて下さい。
拭き続けた後がコチラ ⇓
2. 陰干しする
日の光が当たらない風通しの良いところで、しっかりと陰干しをします。焦らずゆっくりと、完全に乾くのを待ちましょう。
3. 専用クリームを塗布する
基本的にステップ2までで、濡れた後の対処法は問題ないかと思います。
ただし水に濡れて乾いた後、クロコ革の乾燥が激しい場合は、クロコダイル革専用のクリームで、油分を補給してあげることが大切です。
このようにクリームが布に馴染んだら、革に塗り込んでいきます。
弧を描くように、全体的に塗り終えた後、約1~3分乾かし、乾いた布で磨きます。
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BEFORE
AFTER
最後に
水に弱いクロコダイルレザーでしたが、なんとか対処方法で綺麗な状態にまで戻すことができました。しかし今回は、水を一滴垂らしただけなので、程度によっては綺麗な状態に戻せない場合もございます。
ですから、水を避けるに越したことはありません。もし万が一濡らしてしまったら、すぐに拭き取るように心がけて下さい。
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