マインドフルネスについて、「興味はあるけどいったい何なの?」「効果はあるの?」「続けられるの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?
グーグルやインテルなど欧米の有名企業だけでなく、NTTデータや丸井グループなどの日本企業でも取り入れられている「マインドフルネス」。
本記事では、2018年から実践している筆者の経験を基に、あなたの疑問に答えていきます。
マインドフルネスとは
突然ですが、スポーツや趣味に没頭している人達って輝いていたり、人生を謳歌しているように見えませんか?
彼らはそれらの活動を通して、ストレスの軽減、脳の活性化、チームワークや生産性の向上、創造性の発揮などのメリットを享受することで、ポジティブオーラ全開だからです。
「マインドフルネス」というと難しく聞こえますが、そんなに難しいものでなく、ストレスや雑念からステップバックできるスポーツや趣味のようなもの。スポーツや趣味と同じで、トレーニングが必要で、すればするほど大きな効果が期待できます。
はっきり言って、ストレスフリーで打ち込めるスポーツや趣味がある人は、それで充分であると思います。しかしマインドフルネスは多くのそれと異なり、継続して実践することが簡単です。なぜなら、一日最低2分あれば十分なのです。
要約すると、「マインドフルネス」とは、一日2分あれば実践できる、ストレス(や雑念)対処法の一つです。
どうでしょうか?すごくシンプルでないでしょうか?
効果|情動生活に終止符
質問です。あなたが問題を起こすときは、どんなときでしょうか?
それは情動に駆り立てられて行動を起こす時ではないでしょうか?(詳しいエピソードは省略しますが)、私は情動的に行動を起こした結果、失恋を経験したことがあります。あなたもそんな経験がおありではないでしょうか?
マインドフルネスには、免疫機能の向上、脳の活性化などの効果があることが科学的に証明されていますが、一番の効果は、情動に駆り立てられることなく、自己統制できるようになることだと思います。
神経画像研究者のジュリー・ブレフツィンスキー=ルイス(J.A.Brefczynski-Lewis)らによる研究によれば、瞑想の達人(1万時間以上の瞑想修行を終えた人)たちにネガティブな音声(例えば、女性の悲鳴)を聞かせると、扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる情動的な脳の領域が、未熟な瞑想者と比べてほとんど活性化しなかったという結果が出ています。
扁桃体は、いわば脳の門番で、私たちが目にしているものを常時スキャンしており、生存に対する脅威を見つけると敏感に反応を示します。つまり、あとで後悔するよりは先に用心するにこしたことはないという主義なのです。
例えば、あなたの上司があなたを鼻先であしらっているのに気づくと、あなたを「闘争・逃走」に備えたフリーズモードにして、分別ある思考を損なうようなことはないでしょうか?
しかし、マインドフルネスのトレーニングをすることで、扁桃体といった脳の重要な部分を上手に統制することが出来きます。つまり、情動に駆られることなく、情動から一歩引いて、時間をおいて、前向きな視点で物事を捉えることができるようになるのです。 その結果、ストレスにとらわれることなく、心が自由になるのです。
実践|2分間でできるマインドフルネス
マインドフルネスや瞑想に関する著書を10冊以上読んできましたが、私はグーグルで採用されているSearch Inside Yourself(SIY)の手法を取り入れています。したがって、SIYの手法をベースに実践方法を説明していきます。
まずは姿勢についてですが、楽な姿勢を見つけて下さい。例えば、足を組もうが、背もたれを使おうが、横になろうが構いません。一番重要なのは集中力を保て、リラックスできる状態がオススメです。
方法はいたって簡単。2分間、穏やかで一貫した注意を自分の呼吸に向ける。ただそれだけです。
ステップ
- まず呼吸していることを自覚する。
- 次に呼吸のプロセスに注意を払う。
- 気がそれる度に、そっと注意を向けなおす
上記のステップ3にあるように、音や考えや身体的な感覚のせいで気が散ることがよくあります。それには、以下の4つのステップで対処することが大切です。
認める
何かが起こっていることをただ認める。
評価や判断も反応もせずに経験する
何を経験しているのであれ、ただそれを経験する。良い、悪いといった判断は下さない。反応しなくてはならないのなら、(例えば、かゆくてどうしても体をかきたくなったら)、反応する前に5回息を吸ったり吐いたりしてみてください。
なぜそうするかと言えば、刺激と反応のあいだに間を置く練習になるからです。刺激と反応のあいだに間が置けるようになればなるほど、自分の情動生活をコントロールできるようになるのです。
反応する必要があっても、マインドフルネスは保ち続ける
この練習の目的はじっとしていることではなく、マインドフルネスです。したがって、マインドフルネスを保てる限り、何をしてもかまいません。
つまり、顔がかゆくてかきたかったら、まずかゆい感覚に注意を向け、次にかこうという意図に注意を向け、最後に腕と指の動きと、顔をかいている感覚とに注意を向けます。それ以上でもそれ以下でもないのです。
放してやる
気を散らす原因が去りたがっているなら、放してやります。そうでなければ、放っておく。放してやるというのは、無理やり追い払うのではなく、選択権を与えてやります。
相手がとどまりたいというのであれば寛大に認め、相手が去っていくことに決めたら、それはけっこうなこと。相手がいるあいだ中、優しく寛大に扱うこと、これが放してやる練習です。
継続|無理をしないこと
継続していくことは大切です。例えば、ウエイトトレーニングをたくさんやれば、スポーツジムで鍛えている以外のときでさえ、筋肉が隆々としています。
それと同じように、マインドフルネスのトレーニングをたくさんやれば、何もしていない時にさえ、穏やかさ、つまり心の筋肉が隆々としているのです。
ではどうしたら継続していくことが出来るのか。
それは、「めいっぱいやらないこと」です。例えば、マインドフルネスの練習を2分すると、毎日やるのが面倒になるなら、2分やらずに1分間を、日に2,3回やるのもオススメです。練習を負担にしないことがコツです。
それでも、最初のうちは大変かもしれませんが、何か月もすれば、生活の質が劇的に変化するのに気づくでしょう。前より幸せで、穏やかで、情動の面で立ち直りが早く、活力に満ち、ポジティブなものを発散させているので人に好かれるでしょう。そして、自分におおいに満足する。ここまでくれば、私のようにもうやらずにはいられなくなるのです。
最後に
いかがでしたでしょうか?今回はマインドフルネスについて考察しました。情動のコントロールとは経営者にとって必要不可欠な要素の一つであることは間違いありませんし、人として必要なものだと思います。
実は最近の私も、すこし情動にとらわれている状況でした。ビジネスにおいてインド人とコミュニケーションする機会があるのですが、情動に駆られた会話をしていたと反省しています。
自分に戒めの気持ちも込め、今回記事に思考をまとめました。