草原やジャングルの奥深く、秘境と呼ばれる地には、驚くべき生きものたちが潜んでいます。その中でも特別な存在なのが、秘境ニューギニア島に生息するラージクロコダイル(ニューギニアワニ)です。
本記事では、秘境ニューギニア島に生息するラージクロコダイルの魅力と不思議な生態だけでなく、地元住民との共生にも焦点を当てて紹介していきます。
ラージクロコダイルの生息地
画像引用先:CSG Crocodylus novaeguineae
ラージクロコダイル(ニューギニアワニ)は、パプアニューギニアとインドネシアのパプア州の広大な植生豊かな淡水沼地に広く分布しています。
大きく分けて2つのグループが存在し、1つは島の北岸に沿って、もう1つは南部を生息地としています。驚くべきことに、数十年にわたる狩猟にもかかわらず、この種の絶滅はいまだに懸念事項とされていません。
というのも、パプアニューギニアとインドネシアの両国は、野生の成体個体を狩猟から保護することを目的に、腹部における皮革の最大幅サイズを51㎝以内とする輸出制限の法律が存在するから、とも言われています。
地元住民とラージクロコダイルの共生
一部の地域では、地元住人が定期的に幼体を収集し、それらを業者に販売して、業者がワニの養殖場に提供しています。数匹のラージクロコダイルを売るだけで、農村地域の住民は生計を立てられるとも言われています。
また、パプアニューギニアのセピック川地域では、定期的に卵の養殖プログラムが実施されており、ワニが産卵した卵を販売することによって、住民は収入を得ています。
卵をワニの養殖場に販売する利益は、食料として卵を食べることや、繁殖子育てしているメスワニを殺すことよりもはるかに高いのです。
ラージクロコダイルの生態系
画像引用先:Wikipedia, the free encyclopedia
ラージクロコダイルは、土塊を巣にする習性があります。性成熟は8歳から12歳の間で、メスの大きさは約1.5 – 2.5mになります。オスの成体サイズは、最大で約3.5m、体重は最大約300kgに達します。
一般的に、メスは巣を守ろうとせず、人が近づくとすぐに退避します。これは自然な行動かどうかは判明していませんが、地元住民が定期的に卵を収集することによって発達した行動かもしれないと推測されています。
北部に生息するラージクロコダイルは、乾季に巣を作り、平均的な卵の数は35個です。一方、南部のラージクロコダイルは、主に雨季に巣を作り、平均的な卵の数は22個です。
これは、ニューギニア島に2つの異なる「タイプ」のラージクロコダイルが存在する可能性を示唆しています。ただし、これまでの形態学的および遺伝学的視点からは、二つのグループ間に大きな違いは判明されていません。
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