徹底解剖!クロコダイル革財布に使用されるシャムワニの生態系

徹底解剖!クロコダイル革財布に使用されるシャムワニの生態系

革製品の中でも高級感と経年変化が魅力のクロコダイル革製品は、多くの人々に愛されています。その中でも、特に、シャムワニの革を使用したクロコダイル革財布は、一層高い評価を得ています。

しかしながら、ただ革製品の高級感や経年変化を楽しむだけでなく、シャムワニの生態系とその保全状況を知ることは、私たちがクロコダイル革製品を使用する上で、とても大切なことだと考えております。

そこで本記事では、シャムワニの生息地や保全活動について解説していきます。シャムワニの生態系を理解することで、私たちが持つクロコダイル革製品に対する新たな知識と愛着の念が芽生えるかもしれません。
 

シャムワニの生息地

シャムワニの生息地

画像引用先:CSG Siamese Crocodile

シャムワニは、かつてタイ国境付近にある水流のゆるやかな沼地や湖といった淡水地域、そしてベトナム、カンボジア、ラオス、マレー半島の一部、インドネシアの一部に広く生息していました。

しかし、20世紀の中盤から終盤にかけて、狩猟や乱獲により野生個体群は大幅に減少しました。現在、野生のシャムワニはカンボジアとインドネシアのカリマンタンにのみ存在します。

他にも、ラオスの一部地域では、野生のシャムワニが存在していますが、ベトナムとタイでは野生のシャムワニの存在は確認されていません。この種は、個体数の少なさから、IUCNのレッドリストで絶滅危惧種のカテゴリーに指定されています。

シャムワニの保全活動

それを受けて、タイのPang Sida国立公園とベトナムのCat Tien国立公園では、保護増殖事業計画が実施され、個体数は増加傾向にあります。

Cat Tien国立公園のBau Sau湿地では、彼ら自身で個体数を増やしていけるようになりました。ここでは2005年以降、毎年いくつかの巣ができ、多くの卵が孵化しています。

インドネシアのカリマンタン東部には、マハカム川に隣接するメサンガット湿地に、継続して野生のシャムワニが生存しています。

この地域での種の長期的な保全を確保するための取り組みが行われており、イギリスのオイルパーム開発に関与する企業と協力して実施されています。
 

シャムワニの生態系

シャムワニの生態系

画像引用先:Wikipedia, the free encyclopedia

シャムワニは中型の種で、オスは3-4mに達する一方、メスは通常2.5m以上になりません。飼育下では、成熟期間は10-12年後ほどです。。卵は4月から5月にかけて巣に産み付けられ、孵化は6月から8月にかけて行われます。

興味深いことの一つに、他のほとんどのワニの種とは異なり、幼体の世話はオスとメスの両方によって行われます。

過去の野生個体数の減少と、非常におとなしいシャムワニの性質のため、生態に関する調査は十分とは言えず、種の生存の基盤を強化するには更なる研究が必要とされています。

引用先:The IUCN-SSC CSG

クロコダイル科であるシャムワニの上顎は、アリゲーターやカイマンと比べて横幅が広くありません。さらに、その上顎は鋭く狭まった形状をしています。

アリゲーターやカイマンとは異なり、クロコダイル科は顎を閉じるとき、下顎の大きな第4の歯が上顎のくぼみに収まり、その先端がはっきりと見えます。

これが、クロコダイル科とアリゲーター科との決定的な違いです。
 

人工飼育のシャムワニ

人工飼育のシャムワニ

一方、野生の個体と違って、カンボジア、タイ、ベトナムには、個体数保護の為、シャムワニの大規模な人口飼育された個体が多く存在します。特に、タイでは大規模な養殖活動がおこなわれており、現在では安定した個体数が維持されています。

そしてシャムワニ革製品の全ては、この養殖されたシャムワニからのものです。先述したように、「野生」のシャムワニは絶滅危惧種のリストに当てはまるので、野生のシャムワニの取引は禁止されているからです。

一方で、CITESに加盟するクロコダイルファームで「養殖」されたシャムワニの取引は認められており、これらの製品が市場に流通しているわけです。
 

CITESの加盟企業である|First Reach

First Reachが提携するSriracha Farm Thailandは、1993年10月、CITESの組織に加盟しています。

Sriracha Farm Thailand は30年以上の歴史を持ち、200エーカーという広大な敷地で高水準でのクロコダイル飼育管理、そして制作現場では厳重な品質管理の下プロダクトを製作しております。

世界有数の有名ブランドがこぞって入手しているクロコダイル革が存在し、当クロコダイルファームではそれに該当する「シャムワニ」を飼育しており、現在120,000匹にも達します。

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