アフリカの大自然に息づく巨大生物、ナイルクロコダイルの謎に迫る!

アフリカの大自然に息づく巨大生物、ナイルクロコダイルの謎に迫る!

アフリカの大自然に生息する巨大生物ナイルクロコダイル(Crocodylus niloticus)は、アフリカ全土に広く生息しています。

本記事では、ナイルクロコダイルの生息地や多種多様な種、産卵などの生態系、そして人間との関わり方に関する重要な観点を考察します。

アフリカの大自然に潜むナイルクロコダイルの魅力に迫る、必読の一篇です!
 

ナイルクロコダイルの生息地

ナイルクロコダイルの生息地

画像引用先:CSG Crocodylus niloticus

ナイルクロコダイル(Crocodylus niloticus)の成体サイズは、約3.0 – 4.5メートル、体重約200 – 400kgで大型ワニとして分類されます。過去に体長約6m、体重約1,000㎏ものサイズの個体も発見されています。

アフリカ全土(アンゴラ、ベナン、ボツワナ、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ共和国、コートジボワール、コンゴ民主共和国、エジプト、エリトリア、エチオピア、赤道ギニア、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、リベリア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モザンビーク、モーリタニア、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、ソマリア、南アフリカ、スーダン、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)に広く分布しており、多くの研究がこの種(ナイルクロコダイル)に対して行われています。
 

ナイルクロコダイルの種類

ナイルクロコダイルの分類については、その広範な分布から、この種についての議論が長らく続いてきました。以前は、後述するCrocodilus niloticusとしてナイルクロコダイルの種類が統合される前に、Crocodilus vulgaris、Crocodilus marginatus、さらにはAlligator cowieiなど、さまざまな地域ごとの記載が存在しました。

しかし1955年に発行されたMertensとWermuthのリストでは、7つの種に区別されるようになりました。
 

  1. C. n. niloticus(エジプトと北部および南部スーダン)
  2. C. n. africanus(タンザニア)
  3. C. n. chamses(コンゴ川流域)
  4. C. n. suchus(ニジェール川流域)
  5. C. n. cowiei(ジンバブエと南アフリカ)
  6. C. n. madagascariensis(マダガスカル)
  7. C. n. pauciscutatus(ケニア)
 

一部の機関ではC. n. suchusとC. n. chamsesをC. n. binuensisに統合し、中央西アフリカのコンゴとニジェールの流域からモーリタニアまでの分布としているようです。

また、分子生物学データ(Schmitz et al. 2003; Hekkala et al. 2011)によれば、C. niloticusは、西中央部(C. n. suchus)と、より東部および南部(C. n. niloticus)との2つの亜種に分類されるとあります。

これら2つの亜種を分割する基準は、アルベルティーヌ溝帯です。さらにこの仮説を支持する根拠として、生物地理学的および行動学的なデータが挙げられます。

例えば、西部の個体群は主に沿岸地域と大きな水域に生息し、東部の個体群は湿地や小さな川など、より広範な生息地にいます。
 

ナイルクロコダイルの産卵

ナイルクロコダイルの産卵は乾季(9月)に行われ、メスは水辺のそばに巣穴を作り、平均して60個の卵を産みます。メスは巣を守り、捕食者から卵を食べられないようにしますが、依然として大トカゲや哺乳類などに捕食される場合が多いようです。

そして、孵化してからも依然として子ワニたちの死亡率が高いです。そのため、この問題を懸念して、ワニの卵は人間によって一定数収集され、ワニの養殖ファームによって養育されています。
 

人間とナイルクロコダイルの共生

他のワニ類と同様に、ナイルクロコダイルも捕食者です。幼いワニの主な食べ物は、昆虫ですが、成長するにつれて餌も大きくなります。さらにナイルクロコダイルは気性が荒く、人間や家畜を襲うこともあります。主に魚類や両生類を食べますが、時にはシマウマなどの大型哺乳類や鳥類も食します。

ナイルクロコダイルは、他のワニ類よりも多くの人間の死亡事故を引き起こしており、例えば、ジンバブエでは、ナイルクロコダイルが他の野生動物と比較しても、多くの人々が死亡する原因となっています。

というのも、タンザニアといったアフリカ諸国では、乾季によって限られた水源が、人間とナイルクロコダイル両方のために必要である為、そこでより多くの死亡事故が発生しています。
 

ナイルクロコダイル革の歴史

クロコダイルの革は、古代エジプト時代から存在していたとされています。当時は、クロコダイルは神聖な動物として崇拝され、彼らの肉や皮革は王族や貴族によって消費されていました。

クロコダイルの皮革は非常に高品質で、装飾品や武器、装備品などに使用されていました。実際にテーベのネクロポリスにある身分の高い人のお墓から、クロコダイルと思われるものが発掘されています。

また、クロコダイルの形状を模した彫刻や壁画も見られ、彼らの存在はエジプト文化において重要な役割を果たしていたと言われています。
 

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