誰も知らない最高級スモールクロコダイルの原皮価格

誰も知らない最高級スモールクロコダイルの原皮価格

世界の有名ブランドがこぞって使用する、スモールクロコダイル革(別称:イリエワニまたはポロサス)。

世界中でたくさんの愛好家がいることもあり、市場での販売価格も非常に高値で取引されています。

ですから、なんとなくでスモールクロコはもちろん希少価値が高いのだろうとお考えになるかもしれません。

しかし、スモールクロコは、タイ産シャムワニ原皮の約124%も日本に輸入されており、約39%も安価であるのです。

スモールクロコダイルの原産国

スモールクロコダイルの原産国

ここで質問です。皆さんはスモールクロコダイルの原産国はご存じでしょうか?

原産国はパプアニューギニアやオーストラリア、そしてインドネシアであることが一般的です。

生産量の90%以上が養殖です。

ちなみに、同じく人気のナイルクロコダイルは、南アフリカやジンバブエで養殖されています。
 

クロコダイル原皮の取引量・額

クロコダイル原皮の取引量・額

クロコダイル原皮のHSコード

一般的に原皮とは、なめし加工する前の塩漬けにされたクロコダイルの皮のことを言います。

日本で革製品を製作する日系企業は、基本的になめし加工前の原皮を購入しています。

では早速、日本へ輸入されるクロコダイルの原皮の価格と量を確認する為に、HSコードを確認します。

HSコードとは、税関管理局
がモノの税率管理をしやすくするために、全ての輸出入物に付与する記号のことを言います。

ですから日本に輸入されるクロコダイルの原皮にもHSコードが付与されています。

この度、日本関税協会から公開されている「WEBタリフ」を使って、クロコダイル原皮のHSコードを調べます。

その結果、クロコダイル原皮のHSコードは「4103.20.011」であることが分かりました


webタリフ (kanzei.or.jp)

財務省の貿易統計結果

先ほど調べたHSコードを使い、財務省貿易統計で算出した結果が下のグラフです。

輸出国 輸入量 (トン) 輸入単価(千円/KG)
マレーシア 0.3

11.9

タイ王国 9.4 11.9
アメリカ合衆国 1.5 11.8
ザンビア 0.9 10.2
パプアニューギニア 11.7 7.3
ベトナム 0.8 7.2
ジンバブエ 3.5 5.0
オーストラリア 0.3  4.2
南アフリカ 26.1 2.9
コロンビア 2.7 1.6

 対象月:2021年1月~10月

オセアニア・アフリカ諸国からの輸入量が断トツに多い

ナイルクロコダイルの産地である南アフリカが26.1トンと、2位に圧倒的差をつけて輸入していることが分かりました。

次いで、スモールクロコダイルの主要産地であるパプアニューギニアが、輸入量11.7トンで2位につけていることが分かりました。

スモールクロコの産地であるパプアニューギニアと、シャムワニの産地であるタイの原皮輸入量 (9.4トン) を比較すると、124%も多く輸入されていることが分かります。

オセアニア・アフリカ諸国からの輸入単価が圧倒的に安い

輸入単価においても、スモールクロコダイル原皮の産地であるパプアニューギニアからは7,300円/KGであることが分かりました。

ナイルクロコダイルの主要産地であるジンバブエからは、5,000円/KGで日本に輸入されています。

パプアニューギニアとタイの原皮輸入額 (11,800円/KG) を比較すると、39%も安価であることが判明しました。
  

何故スモールクロコの販売価格は高いのか?

何故スモールクロコの販売価格は高いのか?

スモールクロコダイルだけでなく、ナイルクロコダイルの原皮価格が安価であることが分かったと同時に、湧いてくる疑問。

何故スモールクロコの販売価格は高いのか?

私が考える理由は以下の二つです。

  1. 輸入された原皮から傷のない皮だけを使用する為
  2. 日本の人件費コストが高い為  

1.において、日本のメーカー様のウェブサイトを調べると、「当社ではプロが選んだ原皮のみを使用しています」などのうたい文句を見ます。

言い換えれば、使用できない原皮コストを使用できる原皮のコストに上乗せしているのではないかと推測します。

そうでなければ、使用できない原皮のコストを自社で負担することになり、会社がつぶれてしまいかねません。

2. に関しては、言わずもがな、日本の職人さんの人件費が高いからと推測できます。

日本の人件費はタイの3倍ともいわれていますから、アフリカ諸国やパプアニューギニアの人件費と比べたら、5倍もしくはそれ以上になるのではないかと思います。
 

本当に希少性の高いクロコは?

本当に希少性の高いクロコは?

コトバンクによると、希少性とは「資源やそれから作られる財やサービスの供給が人の欲望(需要)に対して相対的に少ない時、そのモノの価値が高騰、または高いと思う心理的な現象のこと。」とあります。

つまり、「日本に輸入される量が少ない」かつ「輸入単価が高い」という条件を満たす国で、生産されているクロコダイル原皮の希少性が高いと仮説を立てることができます。

改めて先ほどの統計データを見ていきます。縦軸を輸入単価、横軸を輸入量にしてバブルチャートを作成しました。

希少性が高いのは、量が少なく単価が高い物ですから、左上に位置している生産国の原皮ということになります。

アメリカ合衆国やマレーシア、ザンビア、そしてタイが該当

( 言う必要ありませんが言わせてください (笑) First Reachが扱うプロダクトは、タイのシャムワニクロコダイルを使用して作られております!)

これまでなんとなくクロコダイル革と言えば、スモールクロコダイル (イリエワニまたはポロサス) と考えていらっしゃった方も多いのではないでしょうか?

もちろん原皮の「輸入単価」と「輸入量」だけが、最終商品の価値を決めるわけではありません。

しかしながら原皮の価格は、最終商品の価値を決める上でも非常に大切なパートになるのも事実です。

ぜひクロコダイル革プロダクトをご検討される、一つの判断材料になれば幸いです。

 併せて読みたい記事  貿易統計からわかるタイ産クロコダイル革の希少性

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