仮想通貨と電子マネーの違いと使い方!キャッシュレス決済の基礎知識

仮想通貨と電子マネーの違いと使い方!キャッシュレス決済の基礎知識

最近、キャッシュレス決済がますます普及していますが、中でも注目を集めているのが仮想通貨(暗号資産)です。仮想通貨は、現金やクレジットカードのような伝統的な支払い方法とは異なり、ネット上でのやり取りが可能で、利用するにはある程度の知識が必要です。

本記事では、初めて仮想通貨をキャッシュレス決済として使おうとしている人に向けて、仮想通貨と電子マネーの違いや使い方、そしてキャッシュレス決済の基礎知識を解説します。ぜひ参考にしてください。
 

 Contents

  1. 仮想通貨(暗号資産)とは
  2. 電子マネーとは
  3. 仮想通貨と電子マネーの違い
  4. 仮想通貨決済のメリットとデメリット
  5. 電子マネー決済のメリットとデメリット
  6. 決済手段としての仮想通貨の使い方

1. 仮想通貨(暗号資産)とは

仮想通貨(暗号資産)とは

仮想通貨とは、現実に存在する紙幣や硬貨のような通貨ではなく、インターネット上で取引されるデジタル通貨のことです。つまり、コンピューターやスマートフォンを使ってお金のやりとりをするためのものです。
 

分散型技術ブロックチェーンの採用

仮想通貨は、分散型の技術である「ブロックチェーン」という仕組みを使って取引が行われます。この仕組みによって、中央集権的な金融機関を介さずに、直接取引ができるようになります。また、仮想通貨の取引履歴は公開され、改ざんされることがありません。

その結果、世間からは信頼性とセキュリティを担保できるデジタル通貨として認められるようになりました。今では多くの店舗で、キャッシュレス決済の一つとして利用されています。
 

魅力的な投資先として認知

代表的な仮想通貨には、ビットコインやイーサリアム、リップルなどがあります。これらの通貨は、現実の通貨と同じように、買い物をしたり、送金したりすることができます。

ただし、あらゆる国家や組織の管理を受けない通貨であることから、仮想通貨の需要と供給のバランスによって、その価値が決定します。価格変動が激しいがゆえ、一般的に仮想通貨は投資先の対象としても広く認知されています。
 

2. 電子マネーとは

電子マネーとは

電子マネーとは、現金に代わる決済手段の一つで、事前にある金額をチャージしておいて、必要に応じてその金額を使って支払いをすることができるものです。電子マネーは、ICカードやスマートフォンアプリなどのデジタル技術を利用しています。
 

一般企業が運営する決済サービス

電子マネーは、法定通貨とは異なり、法律で定められた発行機関によって発行されるわけではありません。鉄道会社や通信会社などが発行しています。

例えば、SuicaやPASMO、nanacoなどが電子マネーの代表的な例です。これらは、電車やバスの乗車券として利用されるほか、コンビニエンスストアやドラッグストア、飲食店などでも支払いに使えます。

電子マネーは、クレジットカードとは異なり、プリペイドカードのような仕組みを持っています。例えば、利用者は電子マネーをあらかじめチャージしておきます。そして決済時、チャージした金額から支払い金額が差し引かれ、残りの金額が残高として管理されます。

一方でクレジットカードと連携させることで、事前にチャージせずに決済を行うことも出来ます。この場合、いったん支払い代金は、カード会社によって立て替えられます。

その後、決済アプリ利用者は、カード会社に支払うことになります。

 

ポイント還元でお得に買い物できる

電子マネーには、ポイント還元制度があります。これは、電子マネーを利用した際に、一定の金額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントを次回以降の支払いに、割引や特典として使うことができる制度です。

たとえば、電子マネーを1,000円分利用すると、5ポイントが貯まるとします。このポイントが100ポイント貯まったら、次回利用時に、100円分の割引として使用するといったことができます。

このように、電子マネーのポイント還元制度は、利用者にとってお得な制度です。また、一部の電子マネーでは、特定の店舗での利用に対して、ポイント還元率が高くなるなど、さらにお得に利用することができる場合もあります。

 

3. 仮想通貨と電子マネーの違い

仮想通貨と電子マネーの違い

仮想通貨と電子マネーは、両方とも現金以外の支払い方法で、キャッシュレス決済に分類されます。しかし、その違いは以下の通りです。
 

発行元が違う

仮想通貨は、中央銀行や政府などの発行機関を持たず、インターネット上で自律的に発行されることが特徴です。

一方、電子マネーは、発行元となる金融機関等が存在し、その各機関がユーザーに対して電子マネーを発行することによって利用が可能となります。

仮想通貨は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳技術を利用して、取引の記録や管理を行います。このため、特定の中央管理機関が存在しないため、取引の透明性や安全性が高いとされています。また、仮想通貨は世界中で取引が可能であるため、国境を越えた取引に適しています。

一方、電子マネーは、発行元となる金融機関等が存在するため、その機関が運営するシステム内でのみ利用が可能です。例えば、SuicaやICOCAなどの交通系電子マネーは、鉄道会社が発行元となっており、その鉄道会社が運営する店舗や自動販売機などでのみ利用できます。
 

価値の基準が違う

仮想通貨と電子マネーのもう1つの違いは、価値の基準が異なる点です。

仮想通貨は、取引の際にブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳技術によって、個々の取引記録が保証されます。また、仮想通貨は限定された供給量しかないため、需要と供給のバランスによって価値が決まります。

つまり、仮想通貨の価値は市場における需要と供給によって決まるため、仮想通貨の価格は不安定で、瞬間的に大きく変動することがあります。

一方、電子マネーの価値は、通常の法定通貨(日本円など)に基づいています。電子マネーは、普通のお金を交換する際に使用されますが、電子マネー自体の価値は基本的には変動しません。

例えば、10,000円の現金を電子マネーに交換しても、その電子マネーは常に10,000円の価値があります。つまり、電子マネーは価値が安定しています。
 

取り扱いが異なる

仮想通貨と電子マネーの取り扱いには、大きな違いがあります。

仮想通貨は、専用の取引所(DMM Bitcoin、Coincheck、bitFlyerなど)と呼ばれる場所で取引されます。取引所では、仮想通貨の買い手と売り手が出会い、取引が成立します。また、仮想通貨は自分で保管する必要があります。

具体的には、専用のウォレットと呼ばれるデジタル財布に保管されます。ウォレットには専用のアドレスが割り当てられ、そのアドレスに対して仮想通貨を送金することで取引が完了します。

一方、電子マネーは、専用のカードやスマートフォンアプリに事前にチャージ(入金)することで使用できます。チャージされた金額を使い切るまで、何度でも使用することができます。

また、電子マネーは専用の端末で決済されます。具体的には、コンビニエンスストアや駅などで見かける、電子マネー専用の読み取り機器にカードやスマートフォンをかざすことで送金(決済)が完了します。
 

セキュリティーの仕組み

仮想通貨と電子マネーのセキュリティーの仕組みが違います。

仮想通貨は、分散型台帳技術であるブロックチェーンを利用しています。ブロックチェーンは、複数のノード(コンピューター)が同じ情報を持ち合わせ、それらが互いに認証しながら取引履歴を追加していくことで、改ざんや不正な操作を防止する仕組みです。

一方、電子マネーは、カードやスマートフォンなどに情報を記録して使用します。これらの情報は、取引先や発行元が管理しています。そのため、仮想通貨のような分散型の仕組みを持っていないため、ネットワーク全体でのセキュリティーを確保するための仕組みが異なります。

そのため、取引履歴の管理や顧客情報の保護など、ハッキングされないよう発行元がセキュリティーを厳重にする必要があります。
 

4. 仮想通貨決済のメリットとデメリット

仮想通貨決済のメリットとデメリット

仮想通貨決済のメリット

国境を超えて利用できる

仮想通貨は、インターネット上で取引されるため、国境を越えた支払いが可能です。これにより、海外の商品やサービスを手軽に購入することができます。
 

利益を得ることができる

仮想通貨の価格は、需要と供給のバランスによって決まります。そのため、需要が高まると価格が上がり、需要が低下すると価格が下がります。

その価格変動によって、買った時よりも高く売れる場合があります。このように、仮想通貨を所有することで、投資家として利益を得ることができます。

ただし、仮想通貨による決済時に利益が発生した場合、利益分に税金がかかるので、所得税の確定申告が必要です。
 

仮想通貨決済のデメリット

価格変動が激しい

仮想通貨の価格は、需要と供給のバランスによって決まります。そのため、価格が急激に上がったり下がったりすることがあります。

そのため、価格変動によって資産価値が激減する可能性があります。
 

送金に時間がかかる場合がある

仮想通貨の送金は、電子マネーの送金と比べると時間がかかる場合があります。これは、ブロックチェーンと呼ばれる技術を利用しているため、取引が承認されるまでに、一定の時間が必要であるためです。

また、仮想通貨の種類によっては、手数料が高くなる場合もあります。

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5. 電子マネー決済のメリットとデメリット

電子マネー決済のメリットとデメリット

電子マネー決済のメリット

➥ 決済の時間が短縮できる

電子マネーはカードや現金と同じように使えますが、支払いの際にカードを挿入したり、お金を数えたりする手間がないため、支払いの時間が短縮できます。
 

➥ 店舗のポイント還元がある

電子マネーには、クレジットカードと同様にポイント還元制度があり、使うたびにポイントが貯まります。

また、キャッシュレス決済を促進する政策によって、電子マネーを使うとポイントがさらに増える場合もあります。
 

電子マネー決済のデメリット

加盟店でしか利用できない

電子マネーは、使えるお店が限られています。例えば、ある電子マネーが使えるお店でしか、その電子マネーは使えません。

ですので、使えるお店が限られているということは、必要な場面で使えない場合があるということです。
 

➥ チャージしたら再現金化しにくい

電子マネーは、あらかじめチャージする必要があります。原則、チャージしたら再び現金化することができないため、チャージした分は使い切るしかありません。

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6. 決済手段としての仮想通貨の使い方

決済手段としての仮想通貨の使い方

仮想通貨決済によるキャッシュレス決済に対応しているお店では、電子マネーのようにオンライン決済ができます。

すでに飲食店や家電量販店などで、仮想通貨を使った決済が可能になっています。また、通常の通販やオンライン決済時に「仮想通貨(暗号資産)決済可」とされているお店であれば、仮想通貨を決済方法として選択することができます。

一般的に、QRコードを用いた電子決済システムを使用します。例えば、店頭に設置されているQRコードを仮想通貨取引所(bitFlyerなど)の専用アプリで読み取ることで、決済は完了します。
 

仮想通貨を保管するウォレットが必要

仮想通貨による決済には、まず仮想通貨を保管するウォレット(電子財布)が必要となります。

このウォレットは、各取引所(DMM Bitcoin、Coincheck、bitFlyerなど)にて口座を開設すると、自動的に作成されます。また銘柄ごとに個別でウォレットを作成することができます。

どちらのウォレットも秘密鍵を使った暗号システムによって、保管している仮想通貨を守る仕組みになっています。基本的にウォレットのタイプは、以下の5タイプに分けられます。
 

  • モバイルウォレット
  • デスクトップウォレット
  • オンラインウォレット
  • ハードウェアウォレット
  • ペーパーウォレット
     

キャッシュレス決済可能なホットウォレット

モバイルウォレット、デスクトップウォレット、オンラインウォレットは「ホットウォレット」と呼ばれ、常にインターネットに接続されているウォレットのことを言います。

インターネットに接続されているので、迅速な送金や取引が実施できるだけでなく、キャッシュレス決済を可能とします。利便性という面では非常に優れた特徴を持ちます。

実際に店舗やオンラインストアにて仮想通貨決済をするには、まずウォレットに仮想通貨を入れておきます。

そして、お店やECサイトから表示されるQRコードを読み取り、購入価格分の仮想通貨を送付します。もしくは取引所のウォレットや個別のウォレットアカウントからお支払いが可能です。
 

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