仮想通貨イーサリアムETHの技術がもたらすキャッシュレス決済の未来

仮想通貨イーサリアムETHの技術がもたらすキャッシュレス決済の未来

近年、キャッシュレス決済がますます浸透しています。

仮想通貨もその一つとして注目されていますが、中でもイーサリアムETHは、スマートコントラクト機能を持つことで、今後ますますキャッシュレス決済において重要な役割を果たすことが期待されています。

本記事では、イーサリアムETHの特徴や疑問点、そしてキャッシュレス決済における将来展望について詳しく説明します。

※注意
本記事は、あくまでも参考例として受け取っていただき、投資するかどうかについては、ご自身の判断でお願い致します。
 

 Contents

  1. 仮想通貨イーサリアムETHとは
  2. イーサリアムETHの特徴について
  3. イーサリアムについての疑問点や懸念点
  4. キャッシュレス決済としての将来展望

1. 仮想通貨イーサリアムETHとは

仮想通貨ビットコインBTCとは

イーサリアムは、ロシア系カナダ人のプログラマーであるヴィタリック・ブテリンによって2013年に発案され、2015年に正式にリリースされました。その後、世界中で大きな注目を集め、現在では多くの取引所で取引されている、非常に人気の高い仮想通貨です。

イーサリアムは、ビットコインと同じくブロックチェーン技術を利用した分散型の仮想通貨です。ビットコインとは異なり、イーサリアムはスマートコントラクトと呼ばれる機能を備えています。これは、自動的に契約を実行できるプログラムのことで、例えば、ある条件が満たされた時に自動的にお金を送金するなどの操作ができます。

また、イーサリアムはトークン発行機能を備えており、誰でも自分のデジタルアセット(資産)を発行することができます。これは、あるサービスの利用権や、実物の商品やサービスの代わりとして利用することができるトークンを発行することができます。

これらの特徴からイーサリアムは、イーサリアム企業連合(マイクロソフト、インテル、KDDI、トヨタ自動車などの有名企業)と提携を積極的に進めており、将来的にイーサリアムの需要は増加していくと考えられています。
 

イーサリアムの現在の発行枚数は、2022年9月現在で約1億2,000万枚です。これは、イーサリアムの最初の公式リリースである2015年に創設された時から段階的に発行されてきたもので、マイニング報酬などが含まれます。

一方、イーサリアムの上限枚数は存在しません。ビットコインは2,100万枚を超えると発行が終了するという上限があるのに対して、イーサリアムはそのような上限がありません。

しかし、将来的にはイーサリアムの発行枚数が一定量に達すると、新たに発行されるイーサリアムの量が減少することが予想されています。これは、イーサリアムの発行量が徐々に抑制され、最終的には収束するように設計されているからです。
 

基本情報

通貨:イーサリアム
通貨単位:ETH
発行年:2014年
時価総額:約29兆円
時価総額ランキング:2位
発行上限枚数:上限なし

※ 23年5月9日時点
 

2. イーサリアムETHの特徴について

ビットコインBTCの特徴について

イーサリアムETHの特徴として、以下の3つが挙げられます。
 

独自のスマートコントラクト機能

イーサリアムは、ブロックチェーン技術をベースにしたプラットフォームで、分散型アプリケーション{DApps(ダップス)}を開発するために設計されています。

イーサリアムのトークンである「イーサリアムコイン」は、取引手数料やスマートコントラクトの実行に使用されます。そして、スマートコントラクトは、イーサリアム上でプログラムされた自動契約のことを指します。

スマートコントラクトは、条件が満たされた場合に自動的に処理を行うことができ、その内容はブロックチェーン上に記録されます。このため、契約を履行するために人間が介入する必要がなく、自動化された取引が可能になります。

例えば、ある人がもう一人の人にお金を貸す場合、スマートコントラクトを使って自動的に貸付金を送金し、返済が完了したら自動的に返済金を受け取ることができます。

また、商品の購入や販売においても、スマートコントラクトを利用することで、商品の配送や支払いが自動的に行われます。

例えば、オンラインショッピングでスマートコントラクトを使用した場合、顧客が商品を注文すると、支払いが自動的に行われます。そして、スマートコントラクトは顧客が注文した商品が配送されたことを自動的に確認し、お金を売り手に送金します。

その結果、支払いの遅れや支払いの忘れを防ぐことができます。また、支払いの手続きが自動的に行われるため、カード番号の漏洩や支払いのキャンセルといったリスクも低減することができます。

ちなみにクレジットカード決済では、カード会社が支払いを代行し、商品の購入者は商品を受け取った後にカード会社に対して支払いを行い、そして売り手はカード会社から支払いを受ける為、どうしてもキャッシュフローに影響してきます。


しかし、スマートコントラクトを使用することで、お金の送受信や商品の配送などが自動的に処理されるだけでなく、人間の介入が少なくなるため、よりスムーズでタイムリーにお金の受け取りが可能になるので、効率的なビジネス取引が可能になります。


さらにスマートコントラクトは、プログラムされた条件に応じて自動的に処理を行うため、透明性が高く、信頼性があります。そして、ブロックチェーン上に記録されるため、不正な操作や改ざんが困難になります。このため、ビジネスや金融取引の分野での利用が期待されています。
 

ERC-20トークン

ERC-20とは、イーサリアム上で動作するトークン(仮想通貨)の規格の一つです。そして、ERC-20に準拠したトークンは、スマートコントラクトの特徴を享受することが出来ます。したがってERC-20トークンは、キャッシュレス決済サービスにおいても開発・使用することができます。

ERC-20規格のトークンは、イーサリアムのネットワーク上で送金や取引が可能なので、仮想通貨取引所での取引や、オンラインショップでの決済などに利用されています。また、ERC-20規格に準拠したトークンは、イーサリアムのウォレットにも保管することができるので、多様な使い方が期待されています。

加えて、ERC-20によってトークン開発者は、イーサリアムのスマートコントラクトのなどのメリットを享受しながら、既存のウォレットや取引所での取り扱いが可能になるため、開発コストを削減することができます。

その結果、ERC-20規格に沿って多くの仮想通貨が開発されました。以下に代表的な例をいくつか挙げます。
 

  • テザー(USDT): 1ドルにペッグされたステーブルコイン。

  • バイナンストークン(BNB): バイナンス取引所が発行したトークン。

  • ユニスワップ(UNI): 分散型取引所「Uniswap」が発行したトークンで、プラットフォーム上での取引に利用される。

  • エイダ(ADA): カルダノプロジェクトが開発したプラットフォームのトークンで、スマートコントラクトやDApp開発に利用される。

  • チェーンリンク(LINK): スマートコントラクトと現実世界をつなぐ「オラクル」サービスを提供するプロジェクトのトークン。
     

このように、近い将来、キャッシュレス決済に適切な新たなトークンが開発されるかもしれません。
 

    分散型金融サービスDeFi

    DeFiとは、「分散型ファイナンス(Decentralized Finance)」の略称で、中央集権型の金融機関を介さずにブロックチェーン技術を利用して、金融サービスを提供することを目的とした新しい金融システムです。

    従来の中央集権型の金融システムでは、銀行や証券会社などが中心的な役割を果たしていましたが、DeFiでは、ブロックチェーン技術を用いた分散型アプリケーション(DApps)が中心になります。これにより、取引において信頼性が高く、安全かつ透明性の高い環境を提供することができます。

    具体的には、DeFiでは、ブロックチェーン上で動作するスマートコントラクトを用いて、金融商品やサービスの提供、取引、投資、貸出し、保険、送金、決済などの機能が提供されます。

    また、これらのサービスは、誰でも利用することができ、中央集権化された金融機関に依存しない自由度の高い金融サービスとして注目を集めています。

    DeFiは、ブロックチェーン技術の発展とともに急速に成長しており、多くのプロジェクトが立ち上がっています。その中には、DEX(分散型取引所)、イールドアグリゲーター、ブリッジ、オラクル、ステーブルコインなどが含まれます。

    一方で、DeFiはまだまだ発展途上の技術であり、リスクや課題もあります。例えば、スマートコントラクトのバグによる不正利用や攻撃、流動性リスク、規制の問題などが挙げられます。
     

    3. イーサリアムについての疑問点や懸念点

    ビットコインについての疑問点や懸念点

    イーサリアムについての疑問点や懸念点について、以下に詳しく説明します。

    PoSによる中央集権化?!

    イーサリアムは、マイニングによる環境負荷問題を解決するため、ブロックチェーン技術に採用されるPoW(プルーフ・オブ・ワーク)から、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)アルゴリズムに移行しました。

    このPoSでは、PoWのようにマイナーがブロックを採掘するためにエネルギーを消費する必要がなくなります。代わりに、ネットワーク内で保有するイーサリアムを保有する量に基づいて、ブロック生成の権限を与えられます。

    これにより、マイナーによるエネルギー消費が減り、環境負荷が劇的に軽減されることとなりました。

    一方、このPoSアルゴリズムへの移行によって、中央集権化のリスクがあるのではないかとも言われています。というのも、PoSにおいては、既に持っている通貨の量が多い人ほど、新しいブロックを生成する権限を得やすくなるからです。

    そのため、既に多くのイーサリアムを持っている人が、ますます多くのイーサリアムを得ることになり、さらにイーサリアムの寡占化が進む可能性があると指摘されています。

    ただし一概にそうとも言えず、PoSにより、より多くの人がネットワークに参加することができ、より分散化されたネットワークを形成することができるとも言われています。

    これは、ブロック生成の権利を持つために必要な条件が、ブロックチェーン技術に採用されるPoWと比較して、少なくなるためです。PoWでは、マイニングに必要なハードウェアや電気代が高額であり、それらを用意することが難しいため、一部の大規模なマイナーがブロック生成の主導権を握っています。

    一方、PoSでは、必要な条件が比較的少なく、イーサリアムの保有者であれば、誰でもブロック生成の権利を持つことができます。このため、より多くの人がネットワークに参加しやすくなり、より分散化されたネットワークが実現されます。
     

    スマートコントラクトの不完全性

    まず、スマートコントラクトにはプログラムのバグがあると、そのプログラムが誤った命令を実行してしまい、深刻な問題を引き起こす可能性があります。

    例えば、スマートコントラクトが自動的にお金を送るように設定されていた場合、プログラムのバグがあると、誤って大量のお金を送ってしまうリスクがあります。

    二つ目の課題は、スマートコントラクトが法的文書として扱われることがあり、法律上の問題が発生する可能性があることです。

    例えば、スマートコントラクトで自動的に支払いが行われる場合、支払いの内容や条件が法律上の契約に合致していない場合、問題が起こります。また、スマートコントラクトのプログラムに誤りがあった場合、そのプログラムが法的文書として扱われてしまうことで、契約内容に誤解が生じる可能性があります。

    つまり、スマートコントラクトが法的文書として扱われる場合、その内容が正確であることが非常に重要であり、法的問題が生じないように慎重に取り扱う必要があります。

    最後に、スマートコントラクトは完全に自動的に実行されるため、外部のイベントに対処できないことがあります。例えば、スマートコントラクトである条件が成立したら、自動的に処理を行うようにプログラムされていた場合、その条件が成立しなかった場合にどうするかが問題になります。

    人間が介入することが難しいため、このような場合にはスマートコントラクトが不適切な処理を行う可能性があります。このような問題を解決するために、スマートコントラクトの設計やプログラミングには細心の注意が必要なのです。
     

    Gasと呼ばれる手数料の存在

    イーサリアムのスマートコントラクトを実行する際には、Gasと呼ばれる手数料を支払う必要があります。Gasは、スマートコントラクトを実行するために必要なコンピューターの処理能力や記憶装置、ネットワーク帯域などのリソースの使用料です。

    つまり、スマートコントラクトを実行するためには、ネットワーク上の他の参加者に対して、一定の貢献をする必要があるのです。

    しかし、このGasにはいくつかの課題があります。一つ目は、Gasの価格が高騰することがあるということです。イーサリアムネットワークの利用が増えると、スマートコントラクトの実行に必要なGasの需要が高まり、その結果、Gasの価格が上昇することがあります。

    これは、スマートコントラクトを実行するために必要なコストが高くなることを意味し、開発者やユーザーにとって負担となる可能性があります。

    二つ目の課題は、Gasの価格が不透明であることです。Gasの価格は、ネットワーク上の取引によって決まるため、前もって予測することが困難です。

    これにより、スマートコントラクトの開発者は、自分たちのアプリケーションがどれだけのGasを必要とするかを正確に見積もることができず、予算をオーバーしてしまうことがあるかもしれません。

    このような課題に対して、イーサリアムコミュニティは、Gasの価格設定の改善や、スマートコントラクトの効率的な実行方法の開発など、さまざまな解決策を模索しています。
     

    4. キャッシュレス決済としての将来展望

    ビットコインBTCのキャッシュレス決済としての将来展望

    イーサリアム連合の拡大

    イーサリアム連合とは、複数の企業や組織が協力して、イーサリアムの技術開発やプロトコルの改善、普及を図るためのグループです。2017年に設立され、現在は約200以上の企業や組織(マイクロソフト、インテル、KDDI、トヨタ自動車などの有名企業)が参加しています。

    イーサリアム連合は、ブロックチェーン技術の発展を促進することを目的としており、そのためにイーサリアムの技術やプロトコルの開発、標準化、普及に取り組んでいます。

    そして、キャッシュレス決済の発展にも積極的に取り組んでいます。イーサリアムのスマートコントラクト機能やERC-20トークン規格を活用して、安全かつ迅速なキャッシュレス決済を可能にするための技術開発や普及啓発活動を行っています。

    イーサリアム連合は、イーサリアムの技術開発に携わる多くの企業や組織が参加しており、その中には大手企業や金融機関、ブロックチェーン関連のスタートアップ企業などが含まれています。このような企業や組織の協力により、イーサリアムの技術やプロトコルの改善が進んでいると言えます。

    イーサリアム連合は、イーサリアムの発展に大きく貢献しており、今後もイーサリアムの技術開発や普及に取り組んでいくことが期待されています。したがってキャッシュレス決済に関する技術開発も積極的に進められていくはずです。
     

    自動化された決済処理の可能性

    イーサリアムのスマートコントラクトを使用することで、様々な自動化が可能になります。たとえば、賃貸物件の家賃支払いを自動化することもできます。

    スマートコントラクトを使って、契約期間中に毎月定期的に家賃を自動的に引き落とすことができます。これにより、家主と借り手の双方が支払いや受け取りに関する手間を省くことができます。

    他にも様々なデバイスやセンサーと組み合わせることで、より便利な支払い方法を提供できます。例えば、顔認識システムを使用して、顔をスキャンするだけで支払いが完了するようにすることができます。

    さらにスマートコントラクトを使用して、商品の配送が完了した場合に自動的に支払いを行うこともできます。また、特定の条件が満たされた場合に、自動的に支払いを行うことも可能です。

    これらのことからスマートコントラクトは、キャッシュレス決済においても重要な役割を担っていくことが予想されます。スマートコントラクトを使用することで、支払いや取引に関する人的エラーを減らし、迅速かつ正確な決済を実現することができます。

    また、スマートコントラクトを使用することで、トランザクションの透明性と信頼性を高めることもできます。そのため、スマートコントラクトは、キャッシュレス決済において非常に重要な役割を果たしていくでしょう。

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