2022年11月、インドネシアのバリで開催されたG20サミットにて、東南アジア5か国(タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン)の中央銀行が経済活性化を目的に、国境を越えたキャッシュレス決済(クロス・ボーダー・ペイメント)実現に向けて協力していくことに基本合意しました。
このように東南アジア主要国では、キャッシュレス決済に向けたプロジェクトが活発に行われており、特に私が住むタイでは既にキャッシュレス決済による支払いが一般化しています。
したがって日本人観光客や出張者にとっても、キャッシュレス決済だけでタイを満喫することができるのです。
そこで本記事では、タイにおけるキャッシュレス事情、キャッシュレスによる長所や短所、そしてタイ滞在時に利用できる便利なキャッシュレスアイテムをご紹介します。
1. タイのキャッシュレス事情
タイで普及するキャッシュレス決済
2021年3月、公共財団法人国際通貨研究所による報告書によれば、62.3%(対象:15歳以上)ものタイ国内の消費者が、キャッシュレス決済を利用しているとあります。
2021年日本のキャッシュレス決済比率32.5%と比較すると、だいぶデジタル決済が普及していることが伺えます。
そしてタイ国内で普及しているキャッシュレス決済は、大きく分けて2つの種類に分けられます。
➥ QRコード決済
QRコード決済とは、QRコードを用いた電子決済システムです。
例えば、店頭に設置されているQRコードをスマホのアプリから読み取り、お店側から請求された金額を入力して、銀行口座からの引き落とし、もしくはクレジットカードから支払います。
他にもQRコードをストア側に読み取ってもらい、支払いを完了させることもできます。
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➥ モバイルバンキング
モバイルバンキングとは、スマートフォンからインターネットに接続して、預金残高の照会、銀行振込、そして銀行口座の管理といった金融機関サービスを利用することを指します。
キャッシュレス決済普及の背景
キャッシュレス決済が普及している理由が3つあります。
➥ 銀行口座保有率81.6%
一つ目は、15 歳以上人口に占めるタイ人の銀行口座保有率が81.6%と高いことが挙げられます。この銀行口座保有率はASEAN地域でシンガポール、マレーシアに次ぎ3番目に多い数字です。
➥ モバイル普及率186.2%
二つ目は、モバイル普及率が高いことです。タイにおける100人あたりのモバイル普及率は 186.2%(2019 年)と 、ASEAN 地域で最も高い数字と言われています。
➥ モバイル決済利用手数料の安さ
三つ目は、QRコード決済やモバイルバンキングの利用手数料が安い、または無料であるということが考えられます。例えばタイ国内の送金が無料、電気代などの光熱費や家賃の支払い手数料もほとんどかかりません。
私はバンコクのサービスアパートメントに住んでいますが、モバイルバンキングを利用して毎月の電気代や家賃を支払っています。これらの送金費用は無料で実施できます。
これらの結果、国際的なデジタル関情報会社「We Are Social」が発表した「DIGITAL2021 レポート」によると、タイが 3 年連続でバンキングアプリの利用率で世界のトップに立っています。
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2. キャッシュレス決済の長所と短所
ここではタイ(主にバンコク)におけるキャッシュレス決済の普及が、日本人旅行者や出張者にとって、どのような長所や短所があるのかをお伝えしていきます。
キャッシュレス決済の長所(メリット)
➥ 現金を持たずに済む
現金を持たずにキャッシュレス決済にしていれば、万が一スリや強盗にあっても、被害を最小限に抑える事ができるでしょう。
依然としてタイでは、スーツや身なりの良い服を着ている外国人が、スリや強盗といった事件に巻き込まれることが発生しています。
現金を持っていなければ、取られるものもないので安心です。
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➥ ポイント還元を享受できる
クレジットカード決済によって、ポイント還元を受けることができます。貯めたポイントを、航空会社が提供するマイルに移行することができるクレジットカードもあります。
マイルは航空券の代金を支払うのに使えたり、席をアップグレードできたり、ホテル宿泊代にも利用できたりします。
頻繁に海外出張がある方は、マイルを貯められるだけでなく、利用付帯で海外旅行保険が利用できるエポスカード(発行会社:丸井)決済がオススメです。
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➥ お金の管理がしやすくなる
全てのレシートや領収書をなくさないように保管する煩わしさから解放され、費用管理が楽になります。
ホテルの宿泊、航空券、そしてタクシー利用の支払いをキャッシュレス決済にすることで、決済履歴をデータで管理することができるようになるので、管理工数や計算ミスを減らすことができます。
➥ 支払いを素早く済ますことが出来る
レストランなどのお店で、サクッと支払いを済ませることができます。
現金での支払いだと、端数を小銭で支払えると思って小銭ポケットを探したけど、結局いくらか足りなかったとかで、紙幣での支払いに切り替えたことってありませんか?
キャッシュレス決済であれば、これらの心配をする必要もなく、スピーディー、かつスマートに支払うことができます。
➥ 現金に触れずに決済が可能
お財布に小銭や紙幣を収納していくと、お財布の中が汚れていくのを経験したことはありませんか?あれは、小銭や紙幣の汚れがお財布についてしまったものです。
現金は多くの人に触れられ、流通していますので、その分汚れも付着しているのです。キャッシュレス化が進めば、現金に触れる機会を減らすことができるので、衛生面においても優れています。
それに加えて、新型コロナウイルスやインフルエンザ感染予防も期待できます。
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キャッシュレス決済の短所(デメリット)
キャッシュレス決済によるメリットが多くある一方で、いくつかのデメリットもあります。事前にデメリットを把握しておき、トラブルのリスクを軽減させることが大切です。
➥ チップを渡すことが出来ない
現金を持っていないと、チップを渡すことができません。
しかし一般的に、タイのホテルやレストランでは、サービス料込みの料金体系になっていることが多く、チップ文化はそこまで根付いているわけではありません。
とは言いつつも、ゴルフ場のキャディーさん、そしてバーやラウンジで働く女性にチップを渡す機会もないわけではありません。
そんな時に現金を持っていないと、少し不便に感じるかもしれません。
➥ フィッシング詐欺のリスク
フィッシング詐欺とは、インターネットを利用する人から、お金を得るためにクレジットカード情報や銀行口座情報を騙し取る手口の犯罪です。
例えば、公共USBポートやフリーWi-Fiからの情報流出で得たメールアドレス宛に、偽サイトに誘導するためのメールを送ってきます。
その偽サイトというのが、本物のサイトと区別がつかないほど巧妙に作られていることもあり、一目では詐欺であると判別できないケースが増えてきています。
そして偽物のサイトと気づかずクレジットカード番号や口座番号を入力してしまえば、お金を奪われてしまいます。
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➥ スキミング被害のリスク
スキミングとは、カードの情報を読み取る装置(スキマー)で、他人のクレジットカードやキャッシュカードから情報を抜き取ることを言います。そしてその情報を基にして、偽造カードを作り、現金を不正に引き出される恐れがあります。
出張者や旅行者が主に使用するキャッシュレス決済方法のクレジットカードは、接触型でICチップが埋め込まれております。このICチップ内に保存されているデータは暗号化されているので、スキミング被害に遭いづらいとされています。ぜひICチップが埋め込まれたクレジットカードを利用しましょう。
それに加えて、スキマーを使ってカード情報が抜き取られないように、クレカ決済の時は自分の目の前で会計を済ませてもらうようにしましょう。
現金派の方
3. タイのキャッシュレス決済に便利なアイテム6選
Ⅰ. 旅行予約サイトTrip.com
旅行予約サイトTrip.comでは宿泊先予約、航空券、現地ツアー、そしてイベントチケットの購入を、クレジットカード決済またはLINE Pay決済で可能です。
ですから事前にTrip.comを通して旅程を予約しておけば、現地で現金を使用する機会をなくせます。さらにTrip.comでは、キャッシュレス決済による海外旅行・出張を可能とするだけでなく、他にオススメしたい4つの理由があります。
➤ Trip.com で検索する
➥ ⅰ. ワンランク上の旅行・出張プランが可能
Trip.comの航空券とホテルパッケージプランでは、他の旅行サイトより安価に予約することができます。上の表は22年12月5日に確認した各旅行サイトが提示する料金プランです。(条件はエコノミークラス、往路643、復路673)
見て分かるように、他の旅行会社が提示する価格より圧倒的に安く、客室のグレードを上げてもなお他社より安い価格を維持できています。
このように安価になった分、ホテルの客室をグレードアップしたり、ビジネスクラスのフライトにしたりと、快適な旅行・出張を実現する選択肢が増えます。
➥ ⅱ. フライト&ホテル情報の一元管理
海外出張の時には航空費用や宿泊費用だけでなく、交通費や接待費など多くの経費が発生するので、領収書の管理が大変です。しかしTrip.comを通して予約することで、フライト&ホテル情報などを一元管理できる点が非常に便利です。
フライト&ホテル予約以外にも、以下のサービスも予約&利用が可能です。
- 列車
- レンタカー
- 空港送迎
- 現地ツアー&チケットなど
これらのサービスもTrip.comで予約すれば、アカウント画面からボタン一つで領収書の発行ができるだけでなく、予約したサービスの利用時間前に、事前通知をしてくれるので忘れ防止になります。
HISやExpediaも同様に一元管理ができますが、先述した価格面を考慮すると、Trip.comに軍配があがるのではないでしょうか。それに加えてTrip.comのシンプルな管理画面が、個人的には好きです。
⇓ Trip.com携帯アプリが便利
Trip.comの携帯アプリを利用すると、赤枠で囲んだ部分の出張(旅行)プラン情報で、以下のことが把握できるようになっています。
- 往路便スケジュール
- 予約便についての重要なお知らせ
- 復路便スケジュール
- 運航状況(往・復路)
- Trip.com独自の旅行チェックリスト
- 最新の出入国制限の表示
- 現地ツアー&チケット情報
- 現地のレンタカー情報
- 各空港への送迎サービス情報
- 現地の人気スポット
これらの情報を携帯アプリの中だけで把握することが出来るので、情報整理が苦手な方でも、安心して海外旅行・出張することができます。
➥ ⅲ. 迅速なカスタマーサービス
チャットボックスを使った素早いカスタマー対応が魅力の一つです。私の場合、うっかりホテル予約のダブルブッキングをしてしまった時に利用しました。
チャットボックスに入ると、1分以内に担当者と繋がりました。そして状況説明をした後、すぐに修正してくれました。
他の大手予約サイトだと返信がくるまでに数日かかったりするのに対して、すぐに問題を解決してくれるTrip.comのカスタマーサービスは、本当に頼りになります。
【POINT】海外でも使える無料通話アプリ機能
海外の現地でトラブルが発生し、カスタマーサポートを受けよう電話しようと思っても、国際電話による通話料金が心配ですよね。
なんとTrip.comのカスタマーサポートには、携帯用Trip.comアプリ内にて無料通話のサービス(IP電話)を受けることができます。
これなら海外でトラブルが発生しても、気軽にカスタマーサポートに連絡することができます。※Wi-FiでIP電話をご利用になると、通信料もかかりません。
➥ ⅳ. お得キャンペーンの豊富さ
他社サイトと比較して、航空券割引クーポンやお得キャンペーンが多いのもTrip.comの特徴の一つです。利用できるキャンペーンがあれば、ぜひ活用してみてください。
➤ Trip.com で予約する
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Ⅱ. クレジットカード
キャッシュレス決済に欠かせないのが、クレジットカードです。中でもVISAクレジットカードにしておけば、クレカ利用可能店舗で使用できないことはないでしょう。JCBやMastercard決済ブランドだと利用できない店舗もあるので、今から作成するならVISA一択です。
タイではセブンイレブンやファミリーマートといったコンビニでも、クレカ決済が可能です。ですから一般的なレストランやショップであれば、ほぼ間違いなくクレカ決済ができるようインフラが整っています。
VISAクレジットカードを作成するなら、2年目以降も年会費無料、かつ利用付帯で海外旅行保険が利用できるエポスカード(発行会社:丸井)がお得です。
海外旅行や出張で何らかのトラブルが起きた時でも、保険に入っているとさまざまな面で補償をしてくれるので安心です。
➥ 基本情報
➥ 補償内容
➥ オススメポイント
- 海外旅行傷害保険が利用付帯される。
クレジットカードに付帯される海外旅行保険は、持っているだけで自動的に付帯される「自動付帯」型と、出国までの公共交通機関の代金や旅行代金をそのクレジットカード払いで支払うことを条件に保険が付帯される「利用付帯」型と2種類あります。
VISA付きのエポスカードは、海外旅行傷害保険が利用付帯されるので、渡航前の航空券購入や電車代に利用すればOKです。渡航先で持っているだけで便利なアイテムです。
補償内容は以上の通りで、旅先でのケガやさまざまなトラブルを強力にサポートしてくれます。ご出発前のお届けやお手続きは一切不要の最強クレカです。
- 年会費無料&店頭にて最短即日発行。
エポスカードは初年度だけでなく2年目以降もずっと年会費が無料です。さらにマルイの店頭に行けば、最短で即日発行が可能です。平日だけでなく、土曜・日曜・祝日も当日発行できます。
ですから突然海外旅行や出張が決まっても、エポスカードであれば最短即日で発行可能です。
- 24時間の日本語サポート体制。
万一、海外旅行中に不慮のケガや事故、病気に見舞われた場合でも、エポスカード海外旅行保険事故受付センター担当者が、24時間いつでも日本語で対応し、以上のサービスを速やかに手配してくれます。
- 不正使用時の補償もあり。
- 旅行先のATMで現地通貨を引き出し可能。
空港や駅・繁華街などにある「Visa」「PLUS」マークのあるATMで最大24時間利用できます。
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Ⅲ. タクシー配車アプリGrab
タイでは、キャッシュレス決済が可能なGrabタクシー配車サービスが便利です。この配車サービスとは、利用者がスマートフォンのアプリを使って、企業タクシーや個人タクシーを呼べるサービスです。
特にバンコク市内であれば、比較的すぐにピックアップできます。配車サービスはいくつかの種類がありますが、Grabサービスの普及率が高く、より便利と言えるでしょう。
タイでGrabサービスを利用できるエリアは、以下の関連記事からご覧ください。
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Ⅳ. Wi-Fiポケット
海外においてもスマホ決済が便利です。例えば、タクシー配車アプリGrabや、旅行者も使えるタイのQRコード決済アプリRabbit LINE Payなどです。そのスマホ決済を利用する際に欠かせないのが、Wi-Fiです。
➥ 利用者数5年連続No.1 GLOBAL Wi-Fi
海外Wi-Fiレンタルの利用者数が5年連続No.1のグローバルWi-Fiの利用が安心です。
他にも安心のパケット制なので、使い過ぎによる多額の請求もありません。(無制限プランも有り)価格帯も業界トップの値段設定です。
例)4G高速プラン in タイ:970円/日(23年2月時点)
比較的タイでは、無料Wi-Fiが設置されているレストランやカフェが多いのですが、無料Wi-Fiの利用では、ハッキングのリスクがありますので、セキュリティがしっかりしているレンタルWi-Fiを利用しましょう。
➤ 海外Wi-Fiを申し込む
Ⅴ. 送金サービスWISE
基本的にレストランやショップでクレジットカード決済が利用できますが、夜のお店で女性と遊ぶ際には現金払いが必要となってきます。
その際には、個人の銀行口座に海外送金できるWISEが便利です。
WISEの海外送金サービスでは、日本の銀行口座から直接、海外の個人銀行口座に送金できます。基本的に、Wiseでは同日(1営業日以内)または即時に送金が完了します。
➥ 海外送金に必要なステップ
- 無料でアカウントを作成する
- 送金額を入力する
- 受取人の口座情報を入力する
- 本人確認を行う
- 指定先の口座へ入金する
➤ 無料でWISEのアカウントを作成する
➤ WISEの使い方・送金方法を確認する
Ⅵ. QRコード決済アプリRabbit LINE Pay
Rabbit LINE Payとは、電子決済サービスを展開する日本のLINE Pay社とタイの交通系ICカード「Rabbit」を提供するBSS Holdings社の共同出資で設立されたRabbit LINE Pay社のモバイル決済サービスです。
日本で言えば、LINE Payと交通系ICカードSuicaを融合させたようなサービスです。さらにRabbit LINE Pay社は、タイにあるモバイル事業最大手であるAIS社と資本提携しています。
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日本で発行したクレカの連携が可能
日本で発行したクレジットカードの連携が可能です。したがって現地の銀行口座を所持していなくても、QRコード決済を利用することが出来ます。
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クレカ決済できない店舗での利用がオススメ
タイへの旅行者や出張者にとって、スマホ決済はクレジットカードの補完目的で使用するのがオススメです。
というのも旅行者がよく訪れる場所において、クレジットカードが利用できない場合もあるからです。例えばタイにある高架鉄道BTSの乗車チケット。こちらはクレカの支払いができませんが、Rabbit LINE Payでの支払いが可能です。
このようにクレジットカードを補う決済手段として利用することができます。
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使用できる店舗&検索も簡単
デパートにあるフードコート、ローソン、マクドナルド、Maxvalu、吉野家、Starbucksといった多くの店舗で、Rabbit LINE Payアプリを使ったQRコード決済が可能です。
参照先:Rabbit LINE Payが使用できる店舗
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